加熱式たばこ専用室でにおいの問題を解消
同じビル内の他テナントからのクレームもあり、喫煙室前の共用廊下のにおいが大きな課題だった株式会社コンチェルト。「全面禁煙」の選択肢にはなかなか踏み切れず、参考にと足を運んだセミナーで加熱式たばこを知り、加熱式たばこ専用室に踏み切った。その経緯と成果についてうかがった。
PDFダウンロード「感動空間の創造」を経営理念に、東日本エリアでアミューズメント空間
「CONCERT HALL」を展開
代表取締役社長藏田久幸さん
人事総務部総務課課長 佐々木健二さん
2017年9月、株式会社コンチェルトの代表取締役社長の藏田久幸さんは、それまで会議室、応接室、社長室で許可していた喫煙を、オフィスと同じフロアに部屋を借りて設置していた喫煙室に限った。社員の健康促進を考えてのことだった。
「私たちが手掛けるアミューズメント業界では、利用されるお客さまの多くが喫煙者です。それもあってか社内の喫煙率も高く、本社では男性の約8割が喫煙者でした」
藏田さん自身も長らく紙巻たばこを愛用していたが、このままでは社会の流れに逆行する、と喫煙場所の縮小に踏み切ったのだ。
「喫煙する社員からは、『ええーっ』という反応でしたね。また、私あてに来られるお客さまも『ここの社長室はたばこが吸えるからいいね』とおっしゃる方が多かったので、最初は不評でした。それでも同じフロア内に喫煙室は残してありましたし、さほど不便は感じませんでした」
ところが、その喫煙室も2、3年前から問題を抱えていた。同じビル内の他テナントから「コンチェルトの喫煙室前のにおいがきつい」というクレームが出ていたのだ。対応を迫られた総務課長の佐々木健二さんは、分煙機や空気清浄機、消臭剤などの対策を施したが、いつまたクレームが来るかと心中穏やかではなかったという。
「喫煙室前の共用部の廊下は化粧室に続いていますから、毎日たくさんの方が往き来します。私自身も非喫煙者なので、実はにおいが気になっていました。設備投資をしても根本的な解決にはなっていなかったのです」
そうした中、何か参考になるかもしれないと足を運んだのが、喫煙対策に関する企業向けセミナーだ。働き方改革の一環として、国は社員が心身ともに健康な状態で仕事に取り組める健康経営を推進している。そのセミナーでは、喫煙者の健康リスクを低減する可能性のある加熱式たばこが紹介された。
「ただ、当時は社内でも加熱式たばこを見かけることはほとんどなく、ピンと来ませんでした」
加熱式たばこ専用室への改装で、すっきりと気持ちの良い空間に。
共用部廊下へのにおい漏れもなくなった。
状況が大きく変化したのは2018年1月。年末から東京都や厚生労働省の動きを見ていた藏田さんが「社内全面禁煙」を宣言したのだ。
社員をいつまでも喫煙問題に悩ませているわけにはいかない。こうした改善はトップが音頭を取って動かねば前に進まない、と藏田さんは決断した。確かに禁煙にしてしまえば、喫煙室に対するクレームもなくなる。しかし、佐々木さんはもう少し緩やかな解決策はないだろうかと考え続けていた。社内が全面禁煙になると、喫煙者は事務所がある37階から同ビル4階の喫煙室まで降りていくしかない。
「その頃、いつの間にか加熱式たばこを使う社員が増えていたことに気づきました。認知度が高まり、入手しやすくなったことが理由でしょうか。とにかくそれを見て、『今ある喫煙室をまずは加熱式たばこの専用室として残したらどうだろう』と思いついたのです」
一定数いる喫煙者にも配慮しながら、紙巻たばこによるにおいの問題解決をはかれれば。ただ、さほど大きな期待をしていたわけではなかったという。とりあえず試してみて、それがダメなら次は全面禁煙しかないだろう、と半ば諦観しつつ、藏田さんに提言し、ひとまず紙巻たばこは社内全面禁煙だが、加熱式たばこは専用室で使えるようにした。
効果は想像以上だった。紙巻たばこによるにおいの問題が、すっかり解決したのだ。社内の非喫煙者の間からは喜びの声が上がった。
「これほどにおいが気にならなくなるとは思いませんでした。実は喫煙室の奥が倉庫になっていて、それまでは非喫煙者も日に何度か喫煙室内を通らざるを得なかったのです。そういう人たちは本当に喜んでいますし、今のところ他テナントからのクレームも来ていません。私も肩の荷が下りました」(佐々木さん)
加熱式たばこなら同じフロアで使える、という状況は、紙巻たばこから加熱式たばこへ切替える流れに拍車をかけた。今や紙巻たばこを吸う社員の方が少数派だという。元喫煙室だったためにヤニ汚れがひどかった加熱式たばこ専用室も、「せっかく切替えたのだから気持ちの良い空間にしよう」と模様替えをした。 「分煙機や空気清浄機を導入したときと比べてほとんどコストもかからず、現時点では最良の選択だったのではと思います」と佐々木さん。さらにその成果を数値で明らかにしたいと思い、加熱式たばこ専用室への改装前と改装後に、室内と喫煙室前の共用廊下の空気環境を調べてデータを取った(図表)。その結果、室内の臭気は実に約10分の1、喫煙室前廊下も3分の1以下に下がったという。 藏田さん自身は今、フロア内にある加熱式たばこ専用室と4階にあるビルの喫煙室を使い分けている。舌になじんだ紙巻たばこを完全にやめるつもりはないが、世の中の流れは全面禁煙へ動いていくだろうと予想する。 「世界の潮流がそうなっていますからね。2020年に向けて日本も足並みを揃えていくでしょう。我々のビジネスの一つである不動産には飲食店も多く入っていますが、店内禁煙を実施したときに売り上げにどう影響するのかは未知数です。アミューズメント業界も然り。社内だけではなく、ビジネスそのものに影響の大きい問題ですから、どのタイミングで次のステップへ進むのかを、慎重に見定めていこうと考えています」
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